ボリュームコミュニケーションは、ボリュームデータの生成、通信、蓄積、表示およびこれらの作業の支援環境を内容としている。ボリュームデータは、3次元ボクセルの配列からなっている。これは2次元の画素であるピクセルを3次元へ拡張したものである。今日の3次元コンピュータグラフィックスでは、ボリュームデータから形状を抽出し表面をポリゴンメッシュにして表示する方法が広く使われている。ボリュームレンダリングを基礎とするグラフィックス、すなわちボクセルをつかったボリュームグラフィックスは、対象の表面だけではなく内部まで表示できる。ボリュームグラフィックスによる可視化は、複雑な形状をより詳細に表示できる可能性があり、画質やパフォーマンスからもポリゴンを基礎としたグラフィックスよりも優れている。本プロジェクトでは、臨場感(没入感)が得られるコミュニケーションを目的としており、このようなボリュームグラフィックスの実現が必須である。
高度な遠隔コラボレーション支援環境を実現するためには、シミュレーションの結果や実験装置からの出力データをボリュームデータ化するだけではなく、多視点カメラなどを利用した実世界の画像もボリュームデータ化し、これらのボリュームデータを統一的に扱う技術開発が必要である。そのために、多視点カメラからの映像をボクセル化する技術開発も必要である。
従来画像や音声を通信するために圧縮(符号化)技術が開発され、ある程度標準化されている。しかし、3次元ボリュームデータの圧縮(符号化)技術は、一部で論文で散見されるだけで、実用化はほとんどなされていない。本プロジェクトでも、ボリュームデータを圧縮・解凍技術の研究開発を行う。
ボリュームデータの蓄積(アーカイブ)技術もほとんど実用化されていない。アーカイブ技術では単にデータを保存するだけではなく効率的な検索技術が必須である。2次元映像の検索が実用化の段階に入り、本プロジェクトではさらにボリュームデータの検索技術の研究開発を行う。
最後にボリュームデータの表示技術であるが、これまで没入感が得られる表示装置としてCAVEに代表されるバーチャルリアリティ装置が開発されている。本プロジェクトでは、CAVEでの実世界映像の表示およびシミュレーション結果との統一的な表示法について研究開発を行うが、されに最近簡易VR装置や Perspecta の商品名でしられている3次元表示装置、高精度液晶ディスプレイを利用した裸眼立体視装置など、急速に提案・商品化されている表示装置にも対応した表示方法の研究開発を行う。
Top
All Rights Reserved, Copyright (C) Japan Advanced Institute of Science and Technology 2003